【祝!紅白初出場 おめでとう エレカシ!!~頼むから、この曲を演奏してくれ!BEST5】

デビュー30周年。

記念すべき年に、遂にやってくれました!

まるで親戚が出場するかのような嬉しさ。

「紅白は日本の音楽の最高峰。精いっぱい歌って、歌合戦ですから、勝ちに貢献できればと心から思っています」

勝ちに拘リ続けてきた宮本さんだからこその言葉を聞き、さらににんまり。

私も一ファンとして、
「紅白という特別な場で、これまでの集大成となる演奏を、全国に届けて欲しい!」と、演奏して欲しい曲を選んでみました。
(2017年11月17日現在では未定)

第五位「男は行く」


白組、勝てよ!」という気迫全開シャウトが、NHKホールに響き渡るのを想像するだけで鳥肌が立つ。

第四位「俺たちの明日」

歌詞だけ見ると少し説教くさいけど、観客に呼びかけるようにシャウトする宮本さんの歌を聴いていると、段々と高揚して鳥肌が立ってくる。
こんな歌手、他にいますか?

第三位「桜の花、舞い上がる道を」


哀感溢れる楽曲の素晴らしさと、圧倒的な広がりを放つヴォーカル。
エレカシの魅力が詰まってます。

第二位「珍奇男


発表時より、今のほうが多くの人に伝わる気がする。
ライヴ映えする曲なので、是非。

・・・もし、やったら、画面の前で泣いてしまう人多いだろうな。

第一位「風と共に」


最後は、現実路線で選びました。

今のエレカシが伝わる曲ですし、宮本さんのヴォーカルも素晴らしい。

「40年ぶりにNHK『みんなのうた』で歌った曲・・・」等の司会者の前振りが聞こえてきそう。

 

キャリアだけ長い、一発屋ではないんですから、「今宵」や「悲しみの果て」は、もう結構(良い曲ですけどね)。

30年間、常に挑戦し、たゆまずに音楽を創造してきたエレカシには、この他にも数多くの、名曲、名演奏があります。
(「さらば青春」も入れるか迷いました)

この機会に、出来るだけ多くの人に、その魅力が伝わればよいなぁ。

【聞かず嫌いでごめんなさい!生涯唯一のソロアルバム『モーリス・ホワイト』と、いかりや長介。】

「ウオーキング・デッド」に出てくるモーガンを見る度に、思いだすのが「モーリス・ホワイト」。

・・・やっぱり、似てるわ。

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終始、重かった「シーズン7」を見終えて、気分はどんより。

「こういう時こそ、気持ちが高揚するEWFサウンド!」と、モーリス・ホワイト生涯唯一のソロアルバムを購入。

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このアルバム、デジタルビート化した「エレクトリック・ユニヴァース」の次に発売されたこともあり、正直なところ、全く期待していなかった。

・・・ところが、これが素晴らしい!

打ち込みかつAOR化サウンドは予想通りなものの、とにかく、どの曲も活き活きして、聞いているだけで楽しくなるのは、まさにEWF。

アップテンポの打ち込みビートに80年代色を感じるものの、ミディアム~スロー曲にかけてのヴォーカルは絶品

そう、EWFと言えば、フェニックス・ホーンズやら、アル・マッケイのリズムギターやら言われるけど、やはり、要はヴォーカル。

ずっと聞いてると高音酔いしてくるベイリーではなく、深々と温かい人格が滲み出るようなモーリスの声こそ「アース」の真髄だ。

このソロアルバムでは、そのモーリス絶頂期の「声」が存分に聴ける。

さすがドラマー出身だけあって、打ち込みながらも、単調とは無縁のリズムトラック。

その磨きこまれたサウンドと、モーリスの「声」との相性は、これ前後のEWFアルバムよりずっと良い。

2016年、長年患ったパーキンソン病で亡くなったのは、本当に残念だが、限定的だった黒人音楽を、時代とともにアップデートさせ、世界中に浸透させたのだから、音楽使命は全うしたと言える。

それにしても、どんな人だったのだろう。

知名度は高いのに、これといったインタビューや資料を見たことがない。

全盛期のステージ映像を見ると、大所帯ながらやたらと「キメ」が多く、統制がとれたステージングが印象的。

しかし、このキレッキレの演奏。
鬼のようにリハしたんだろうな。

また、全員が観客を意識し、常に満面の笑顔でパフォーマンスしている、いや、モーリスがさせているというべきか。

これほど高揚感溢れるステージや楽曲を産み出す人だから、物凄くエネルギッシュだろうと思うが、インタビューでの受け答えは、非常に真面目で、終始、物静かな印象だったと言われている。

当時、パーキンソン病を疑われた際、「元々神経質であることと、度重なるストレスから、手に震えが伴うことがある」とコメントしているが、あのコントロールされたステージを見れば、相当な完璧主義者だったのだろう。

ファンを第一に考える、神経質なグループ・リーダー」を想像し、なぜか、いかりや長介氏を思い浮かべた。

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言わずと知れた「ドリフターズ」の絶対君主的リーダー。

一見、馬鹿げたコントにも、
「(TV)カメラの向こうにいる視聴者のことを考えろ!どれだけの人数が見てると思っているんだ!
と、メンバーやスタッフに檄を飛ばし続け、決して内容に妥協しなかったらしい。

そんなコントの中でも、大好きなのがこれ。

長さんのやられっぷり!!

何回見ても、滅茶苦茶おもしろいわ。

偶然と思うが、いかりやさんはアフリカ旅行を趣味にしていたほどのアフリカ通で有名。

モーリスも、このアルバムはじめ黒人の故郷「アフリカ」をテーマにした曲を多数作成している。

「音楽」であれ、「笑い」であれ、時代を超える作品は深いなぁ。

【AOR誕生40周年企画『AOR CITY 1000』第二弾】~フランク・ウェーバー=ビリー・ジョエル meets スティーリー・ダン!?

そんなこんなで、『AOR CITY 1000』第一弾には、楽しませてもらいました。

色々と聞いているうちに気づいたのは、一般的なAORと、私の好みとに若干の差があること。

改めて、私がAORに求めるのは、

①落ち着いたサウンド

②さまざまな音楽要素がブレンド

③演奏が上手い

④録音が良い

といったところでしょうか。

その経験を重ねた分、第二弾『AOR CITY 2017』では更に、盤選に頭を悩ませました。

紹介文を読んだり試聴を繰り返しながら、最終的に「フランク・ウェーバー」の二枚を選択。

初めて聞くアーティストです。

当時ブレイクしていたビリージョエルとエルトンジョンの「二、三匹目のどじょう」を狙ったようで、2ndに至っては「ニューヨークのストレンジャー」などという詐欺商法まがいの邦題を付けられています。

ところが・・・・・

これが、二枚とも、素晴らしい内容!!

旧譜にふさわしい形容ではないですが、5年に一度出会えるか出会えないかの大名盤です。

1stは、ピアノの弾き語りが中心。

鼻にかかった歌声は似ているものの、ビリー・ジョエルのようにカンツォーネ風ではなく、すこし細めの声質を活かしてしっとりと歌い上げます。

バックの演奏は、NYオールスターズ名うてのセッションミュージシャンが揃い踏み!

リチャード・ティー(Key)、スティーヴ・ガッド(Ds)、デヴィッド・スピノザ(G)、ウィル・リー(B)、マイク・マイニエリ(Vib)等。
様々な音楽要素が交じり合ったハイブリッドな楽曲群に対し、「華を添える」レベルを遥かに超えたグルーヴ満点の演奏で応えます。
「シルクディグリーズ」のTOTO陣も素晴らしいですが、こちらも凄いです。

まぁ、私なんかNYに行ったことも、行く予定も全くないのですが、
このアルバムに漂う「雰囲気」だけで、彼の地にいるような疑似体験が楽しめます。

都会を感じさせる音楽には、華やかさと同時に、「孤独感」や「退廃的」な要素がありますね。
それは、アル・クーパーや、ビリー・ジョエルにも共通しています。

2ndでは、さらにバック陣が前面に出てきて、スティーリーダン(SD)に匹敵する構築度の高い演奏を繰り広げます。

引き語りピアノと各楽器とのジャジーなインタープレイもあり、SDの緻密な音作りによる密室性を息苦しく感じる方には、こちらをお薦めしたいぐらいです。

【AOR誕生40周年企画『AOR CITY 1000』】~予想外の出会い、全盛期のEWF!!

「Boz Scaggs / Silk Degrees」に続いて、この一枚。

「Valerie Carter / Just a Stone’s Throw Away」

ふだん、あまり女性ボーカルは聞かないんです。

が、このアルバムを選んだのは、プロデュースにあのモーリス・ホワイト。エンジニアには、ジョージ・マッセンバーグと、「全盛期のEWFアルバムの立役者」が揃っていたから。

モーリスのプロデュースは、
⑤SO,SO,HAPPY
⑧CITY LIGHTS
の2曲。

どちらの曲も、素晴らしいんですが、特に「CITY LIGHTS」は、当時のEWFメンバーが総出で演奏。

EWFグルーヴの要、アル・マッケイのギターがかなり前面に出ており(ソロまであります)、シャイニングスターの別テイクか!?と思うほどアース節が炸裂しています。

やはり、この頃のEWFは別次元の凄さですね。

モーリスが亡くなってしまった今、これほど、嬉しい再会はなかったです。

肝心のヴァレリーカーターですが、こちらは「シルク・ディグリーズ」と違って、ジャケ通りの可愛らしい歌声

声量はないですが、フォーキーな曲にはささやくようなスキャット、ゴスペルではよりスケール感のある唱法など、非常に多彩な歌唱を聞かせてくれます。

楽曲も、フォーク、ジャズ、カントリー、ゴスペルから、ダンサブルなアーバンビートまでと非常に広く、時にヴォーカルが、ドン・ヘンリーや、ジョニ・ミッチェルのように内省的な響きを醸しだすなど、素晴らしいです。

そんな、彼女の「派手さはないが、染み入る音楽性」が、今作に参加しているモーリスホワイトや、ローエルジョージなど、大物の関心を引いたのではないかなと思います。

【AOR誕生40周年企画『AOR CITY 1000』】~不惑の年に、再びAORに挑戦!

『AOR CITY 1000』の中から、購入したのは以下の作品(発売年)。

未聴盤に限って、気になるのをピックアップしました。

●Boz Scaggs / Silk Degrees (1976年)
●Boz Scaggs / Down Two Then Left (1977年)
●China / China (夜明けのダンサー) (1982年)
●Dionne Warwick / Friends in Love (1982年)
●The Bliss Band / Dinner With Raoul (デビュー!) (1978年)
●The Bliss Band / Neon Smiles (1979年)
●Far Cry / The More Things Change (1980年)
●Valerie Carter / Just a Stone’s Throw Away (愛はすぐそばに) (1977年)
●Barry Manilow / Even Now (愛と微笑の世界) (1978年)

気に入ったのは、2作品。
「Boz Scaggs / Silk Degrees」


有名なジャケットですが、ちょっと、格好つけすぎ。

関西人なら「おっさん、何しとんねん。気分悪いんか?」と笑いながら突っ込まれますね。

意外だったのは、ヴォーカル。

ジャケットから、いぶし銀のスモーキーボイスを想像していたのですが、実際は、・・・かなり鼻声のハイトーンボイスでした。

もちろん、美声ですし歌も美味いんですけど、あまりにも思っていたのと違うので・・・。

えぇ、全て、私の先入観が悪いのです。

アルバムの内容は、さすがの一言。

楽曲は、バラエティに富んでおり、捨て曲なし。
全10曲、どれもがシングルカットできるレベルです。

演奏も、素晴らしい。
特にドラムのジェフ・ポーカロは初めて聞いたのですが、実に小気味の良いビートを叩きますね。
参加しているデヴィッド・ペイチ(KB)、デヴィッド・ハンゲイト(BASS)、ジェフ・ポーカロ(DS)の3人は、この時の共演をきっかけにTOTOを結成したそうです。

今回の企画のきっかけでもあり、「AOR」の礎とも言われている作品だけあって、「楽曲よし」、「演奏よし」、「録音よし」のトリプル名盤でした。

次作の「Down Two Then Left」も良かったですが、これと比べてしまうと、少し落ちるかな?

もう一作については、また次回に。

【『AOR CITY 1000』から『AOR CITY 2017』へ】~十人十色の拡大解釈、そもそもAORとは!?

ボズ・スキャッグスの代表作『シルク・ディグリーズ』発表から40周年を記念して、昨年、スタートした「AOR CITY 1000」

失礼ながら、まさかの大好評!?だったようで、シリーズ第二弾『AOR CITY 2017』が始まりました。

紹介文の中に、
「現在は“AOR”という言葉がひとり歩きし、それが“Adult-Oriented Rock”の略称であることを知らない世代が出てきています。」
とあります。

私が、AORという言葉を最初に聞いたのは、30年近く前、高校生の頃だったと思います。

確か、FM雑誌の特集で「大人向けの落ち着いたROCK/POPS」と紹介されていました。
背伸びしたかった年頃でもあり、いくつかレンタルした覚えがあります。

でも、ミディアム~バラードテンポの曲が中心で、当時の私には刺激が少なく、一回聞いたかどうかでほったらかし。

まだまだ、落ち着いた音楽の良さが分からなかったんですね。

ちなみに、「AOR」には定義が複数あるようです。

①Audio-Oriented Rock(オーディオ・オリエンテッド・ロック)

音を重視するロック(音志向ロック)」の意で、1970年代から1980年代初頭の米国で用いられた。
パンクムーブメントやHM/HRといった若者向けのラウドなロックとは異なり、クロスオーバー的な音造りと大人向けの落ち着いたボーカルが特徴。
ボズ・スキャッグスやボビー・コールドウェル、スティーリー・ダン、クリストファー・クロスなどが該当。

・・・オーディオって、録音も良いってこと?

②Album-Oriented Rock(アルバム・オリエンテッド・ロック)

「シングルチャートを意識したものではなく、アルバム全体としての完成度を重視したスタイル」の意。
ピンク・フロイドやイエスなどが該当。

・・・これってプログレが得意としたコンセプトアルバムのことですよね?

③Adult-Oriented Rock(アダルト・オリエンテッド・ロック)

「AOR」は1980年代の日本で音楽用語として用いられた。
ボビー・コールドウェルの「Heart of Mine」が1988年に紹介される際、「Adult-Oriented Rock」=「大人向けのロック」と解釈し、1990年の日本公演で広告代理店が「AORの代表」と称した。
TOTOとボズ・スキャッグスなどが該当。

・・・多くの日本人が知っているのはこれですよね。

①と③は定義は違うものの、該当バンドはかぶっているし、もう訳が分かりません。

まぁ、上記の定義に加えて、日本では「夏向けの、爽快な音楽」としても、認知されています。

それは「AOR CITY 1000」発売時のキャッチ、
「夏と、AORと、」からも明らかですね。

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このように、時代とともに拡大解釈されてきた「AOR」。

私も、「ようやくAORを味わえる年齢になってきたなぁ」と、改めて思うところがあり、第一弾では数枚を購入しました。

その話については、また次回に・・・

【SONGS エレファントカシマシ・宮本浩次×爆笑問題・太田光】~衰えぬ奇跡の「声」

デビュー30周年ということで、最近よくTVに出ていらっしゃる宮本先生。

前から感じていたんですが、宮本さんはお笑いの人と絡むと、素の良さが引き出されますね。

古くは『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』のダウンタウン。

あれ以降しばらくの間、宮本さんのエキセントリックな言動だけがいじられてましたが、ちょっと前の『A-Studio』の鶴瓶さんや、今回の太田さんみたいに、きちんとエレカシを聞いてくれている人は、先生へのいじり方にも、温かさを感じます(浜ちゃんも優しかったですけどね)。


エレカシの音楽は、下積みから這い上がってきた大方の芸人さん達には堪らんでしょうし、周囲に異常に気を遣いながら、それでも伝えたいことが山ほどあるというあのもどかしい立ち振る舞いが、「こいつは面倒見たらんとあかん!」と思わせるのかもしれません。

世間の多くは、
・「今宵の月のように」の一発屋
・とにかく落着きがない変なヴォーカリスト

と思っているかもしれませんが、エレカシは間違いなく日本ロック史上に名を残すバンドです。

特に、宮本浩次さんの「声」は、本当に素晴らしい。

パンキッシュかつハードロック唱歌風の初期は、ブレーキとアクセルを同時にべた踏みしたような「がなり唱法」。
文学調の重い歌詞も手伝って、それはそれで素晴らしいものの、聞いているとこちらも苦しくなってくるものでした。

そんな宮本さんの「歌」の凄さに気づかされたのは、アルバム「東京の空」

それまで命を削るかのように声を絞り出していたのが、ここでは喉の奥がパカーンと開いたように声が伸びてきます。
歌詞もこれまでと違って「(日々の鬱屈に)悩んじゃいるけど、生きるしかねぇ!」との開き直り感があり、変化した唱法と抜群の相性を見せます。

「力強く真っ直ぐなまま、ロングトーンでかなりの高音まで出してくる」
こんな男性の歌声は聞いたことがありませんでした。

その後も、たゆまずにアルバムを出してきたエレカシ。

「SONGS」の一番最後、デビュー30周年シングル「風と共に」が演奏されました。

今からおよそ40年前(1976年8月-9月放送)、当時NHK児童放送合唱団に所属していた宮本さんは「みんなのうた」の「はじめての僕デス」で歌手デビュー。
バンドデビュー30周年を迎えた今、再びNHKから依頼を受け、自らの半生を振り返って「みんなのうた」に書き下ろした楽曲です。

序盤、ギターの弾き語りで落ち着いた歌い出し。
宮本さんにしては低めのキー、そっと囁くような歌い方に驚きましたが、やっぱり上手いですね。
変わらず、真っ直ぐ伝わってくる歌に感動します。

そして、凄いのはここから。

飛翔するかのごとくキーがぐんぐんと上がり、壮大な展開へ。
それでもファルセットに逃げることなく高音を出し切るんですよね。

確かに「東京の空」の時に比べると、声は細くなり、倍音は減っています。
でも、そもそも先生の「声」は次元が違います。

デビュー当時は良い声だったのに、段々と音域が狭く、音量は小さくなり、キーを下げて往年の名曲を歌う歌手が多い中、
30年間全力で歌い続けてきて、まだこれだけの声が出ることは「奇跡」としか言いようがありません。

類まれなる才能を持ち、周囲との違和感にもがき続けながらも、常に全力で歌い続けてきた宮本さんの存在は、もはや「芸術」そのもの。

同じ時代を生きていることに感謝したいほどの存在です。

【ポポル・ヴー/アギーレ】~真夏日の音楽

夏に聞く音楽も、年齢とともに変わってきました。

20代までは、メタル/ハードロック→熱には熱をもって吹っ飛ばす!

30代は、JAZZ/FUSION→落ち着いた大人を気取りたい

そして、40代の今は、原点回帰の80年代AORが中心になっています。

でも甘口で涼しげなAORばかり聴いていると飽きてくるんですね。

で、最近聞いているのが「ポポル・ヴー/アギーレ」

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私はプログレは好きにしても、ジャーマンには手を出さず、
イギリス、アメリカのメジャーどころを中心に聞いてきました。

このアルバムを知ったのは、愛読していたMarquee誌にのっていたから。
コラムのなかで、ポポル・ヴーの1stが紹介されていたのです。

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当時(20年以上前)は、1stのアルバムタイトルが分かりませんでした。
ただ、そのコラムの端っこに小さく「アギーレ」のジャケットが載っていたもんですから、私は、永らく、「1st=アギーレ」と思い込んでおりました。

時は過ぎて、1stでないことは分かったのですが、
それでも、コラムの文章からイメージした音と、アギーレのジャケットイメージがピッタリとはまってしまい、どうしても頭から離れません。

数年前、アマゾンでリマスター盤を購入しました。

1曲目冒頭、メロトロンのようなひんやりとしたシンセ・コーラスがゆっくりと立ち上がり、やがて洪水のように押し寄せます。

そこに、動物の息吹のように単音ムーグがメロディを重ねるのを聞き、「電子音によるミニマルミュージック」を想像していた私は、面喰います。
無機質さがまるでなく、過去の心象風景と言うか、まるで胎内で聞いていたかのような遠い温もりを感じさせる音色

この雰囲気を音楽で表現するって凄いですよね。

実はこのアルバム、1972年の西ドイツ映画「アギーレ/神の怒り」のサントラだそう。

2曲目以降は、ギターを中心とした牧歌的なアコースティックアンサンブル。
どれも、たゆたうようなゆったりとした演奏で、さらに気持ちが落ち着きます。

5曲目は、16分越えの現代音楽風で、おそらくこれが1stの作風に近いんじゃないでしょうか。
子供たちが怖がることもあって、いつも飛ばしてます。

最終6曲目は、1曲目をリズムアレンジしたもので、気持ちはまた忘却と記憶の狭間へ・・・。

気が付くと、また1曲目からリピートしています。

猛暑日の午後から夕方にかけて、敢えてエアコンを付けずに窓を開け、自然の気配を感じつつじんわり聞くのがお薦めです。

ヴァンゲリス「ブレードランナー(サウンドトラック)」を聴き直す

昨日の投稿で、「SF映画は音楽(音響)も大事」と言いましたけど、「ブレードランナー」のヴァンゲリスは、まさに奇跡の作品ですね。

ヴァンゲリス・O・パパサナシュー 1943年ギリシャ生まれのシンセサイザー奏者

炎のランナー(第54回アカデミー賞オリジナル作曲賞受賞)」「南極物語」「ブレードランナー」が有名なので、映画音楽家と思われる人も多いのですが、その長いキャリアの中では、プログレッシブロックからクラシック寄りのものまで様々な音楽表現を行っています。

このサントラの発売は1994年で、なぜか映画の公開から12年も経ってからリリースされています。理由は定かではないのですが、当時、映画音楽家のイメージで縛られたくなかったという説も。

このサントラは大した告知もなく、唐突に発売されたのですが、それまでベスト盤で数曲しか聞けなかった私は、全貌を知って本当に狂喜乱舞しましたね。

一曲目、冒頭から映画のSEが流れてきます。

目を閉じれば、あの酸性雨が降り注ぐ世界を、上空のスピナーから眺めているよう。

その後も、映画の世界観に満ちた曲が目白押しで、夜間のドライブ(特に高速海岸線)でかけるとトランス状態になります。

最終曲「TEARS IN RAIN」が、また素晴らしいんですよね。

主人公演じるハリソンフォードより、はるかに魅力的なレプリカントのロイ・バッティ。演じるルトガー・ハウアーは、もう一世一代の名演技なのですが、その最終シーンで流れるのがこの曲です。

雨音の間から、ロイのナレーションが聞こえはじめ、シンセサイザーが美しくも力強く、波のように押しては返す。

最後の音が聞こえなくなってからも、しばらく余韻に浸ることが出来る、素晴らしいサントラです。