【『俺たちの明日-エレファントカシマシの軌跡』~「風に吹かれて」発刊から20年】

まず、「風に吹かれて-エレファントカシマシの軌跡」発刊から20年経ったということが、ただただ感慨深いです。

当時「今宵の月のように」で人気絶頂だったエレカシを知りました。

新譜だった「明日に向かって走れ~月夜のうた」より、その後に買った「東京の空」にやられた私にとって、「風に吹かれて」はすぐに愛読書になりました。

読了後、1STから順に購入したのですが、「奴隷天国」までの宮本さんの日常生活そのままを切り取った作品群は、あの「本」なくしては、深く聞きこめなかったですね。

今回も、表紙デザインが素晴らしい。

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20年経っても老けない宮本さんの凄さはともかく、「上」巻が宮本さん、「下」巻がバンド、共に「風に吹かれて」の続編として全く違和感がありません。

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厚さはこんな感じ。

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上下巻合わせて、「風に吹かれて」とほぼ一緒。

と、考えると2751円から4000円へと価格は大分上がりましたね。

いま、上巻を読んでいる最中ですが、嬉しいことに、目次構成や、本文フォントなどは「風に吹かれて」と同じ。

無くなったのは、ロッキンオンジャパン・スタッフによる投稿文や、発売時のアルバムクロスレビュー(これは残して欲しかった)。

あと、山崎さんや渋谷さんとのインタビュー形式だったのが、宮本さんのモノローグ調になっています。
原文は知らないのですが、意図的に編集されたのでしょうか。

売れてない状況を、お二人から理論的に指摘され、ピリピリしているあの緊張感はなくなっています。

また、インタビュー毎に挿入されていた写真ですが、今回は中ほどのページにまとめて載っています。
私は前回のほうが良かったな。

読んだところまでだと、「中国旅行記」とスピッツの草野さんとの対談が面白かったですね

 

20年前とは状況が全然違いますから、当たり前なんですが、宮本さんと世間との隔世感は縮まり、ブレイク以降も、ただひたすらに「もっと売れたい!」と願い続ける宮本さんの意志が全編に貫かれています。

売れているミスチルやGLAYへの羨望をあからさまにして、自分たちとの比較、足りない部分など客観的に分析しているんですが、出てくる音は全くぶれないエレカシ節。

マーケティングなど必要ない才能を持ちながらも、「なにか足りない、努力が足りない」と全力で作品を生み出す宮本さんは、本当に凄い、凄すぎて「変」。

山崎洋一郎さんの
一生懸命におかしな振りをする普通の奴より、一生懸命に普通のふりをする頭のおかしい奴のほうが凄い」という宮本さんを形容する名文句がありますが、その「おかしさ」さこそがエレカシの魅力ですよね。

アルバム毎に、様々なミュージシャンと交流し、音楽表現も格段に広がり、時に、冒険的サウンドのシングルも出しますが、やはりエレカシの真骨頂はバンドサウンドの「ブルース」。

宮本さんの日常の感情を基に作られる楽曲は、まさに「ブルース」。

BLUESは黒人のものだけじゃないと教えてくれた、この素晴らしさは例えようがないですね。